CULTURE NOTE
日々の生活で使いたい。
新しい伝統工芸品3選
「工芸品」と聞いて、どんなものをイメージしますか。伝統を重んじる堅苦しいもの? 自分の生活とは少し距離を感じるもの? いえいえ、そんなことはありません。最近はデザインやアイデアの力で現代の生活にもなじむ商品がたくさん生み出されています。日々の暮らしの中で、職人の技術や、伝統技法の魅力を感じることができる「新しい伝統工芸品」を選びました。
宮永真実さん
総合領域 講師/プロダクトデザイナー
京都市立芸術大学デザイン科プロダクトデザイン専攻卒業。プロダクトデザイナーとして5年間ヤマハ株式会社に勤務。現在は、プロダクト、グラフィック問わず生活に根ざしたデザインの制作・提案を行う。
Atelier hifumi
「巡-金継ぎ時代-」金継ぎキットとお道具箱のセット(溜塗)/ Kintsugi kit and box (Red brown urushi coating)
佐賀県 伊万里焼のジュエリー
木瓜/Mokkou(YURAI)
日本の伝統技法、産地素材をベースに工芸を新たなプロダクトを展開するブランド「YURAI」。「木瓜/Mokkou」は、佐賀県伊万里の窯元・畑萬陶苑との企画で誕生した、お皿のようなかたちの伊万里焼のジュエリー。アウトラインの細やかな形状と、程よくかかった釉薬のツヤがとても美しい。”神(職人技)は細部に宿る”のだなぁと、しみじみ感じます。
越前和紙を使った石のような箱
harukami [cobble]
「和紙の箱 harukami [cobble]」([S]¥3,300 [M]¥5,500 [L]¥8,800 [EL]¥13,200
カラー:Dark Gray、Gray、Light Gray、Brown 各サイズ4色)
まるで本物の石みたいな紙製の小物入れ。福井県越前市で1500年の歴史を持つ越前和紙の技法を用い、木型に貼り付けて成形されているそうです。自然の石が持つ気持ちのいい丸みと、和紙の持つ柔らかで優しい質感が合わさって、見ているだけで癒されます。
(デザイン&写真:松山祥樹)
「木」と「漆」のストロー
/suw(スウ)
脱プラスチックの推進により木製ストローも使われる機会が増えました。衛生面や耐久性といった木製ストローの問題点を、漆を用いることで解決。京都市京北町の木材の端材を使ってストローの土台が生まれ、伝統的な京漆器の漆塗りとが組み合わさり、大切に使いたくなる魅力も生み出しています。現代の日常や価値観に根付いた工芸品になっているのがとても素敵です。
(写真:亀村佳宏、古徳信一)
2023 01/06